近年のわが国では様々な災害に見舞われたほか、経済的な閉塞感も続いており、きわめてストレスが多い時代となっています。こうしたなか、人々に「生きる力」の必要性が言われるようになって参りました。「生きる力」は今日様々な定義がされていますが、学術的には、様々な困難を首尾よく乗り越えるだけでなく、そうした経験を自己の糧にすることができる力として概念化され、とくに保健・医療・福祉系の領域で注目を集めています。
本調査は、この生きる力に光をあて、日本国民における性、年齢、地理別の生きる力の分布、人々の生育歴や社会経済的な状態、健康状態と、生きる力との関係を明らかにするための、はじめての全国規模の学術調査になります。さらには、欧米諸国で実施された同様の調査結果との比較から、わが国における生きる力の特徴を浮き彫りにすることも目的としています