問2で聞いているのは?
問2の項目群は「首尾一貫感覚」と呼ばれる感覚をとるものです。今回の調査の大きなテーマとなっている「生きる力」に関する問いになっています。
この「首尾一貫感覚」について簡単にご紹介します。
首尾一貫感覚とは?
首尾一貫感覚とは、イスラエルの健康社会学者であるアーロン・アントノフスキーによって1980年代に提唱された感覚です。
この感覚は、その人の世の中に対する向き合い方や姿勢を表しています。どのような特徴の姿勢かというと、「世の中は安定していて先行きもみえると思えること」と、「何かあってもだれか/何かに助けてもらえる、何とかなると思えること」と、「生きていくうえで出会う出来事にはすべて意味があって、この先出会うことも挑戦と思えること」の3つの特徴から成り立つものです。
アントノフスキーによると、この感覚が強い人は、ストレスに強い人であると言われています。
首尾一貫感覚が強いと良いのか?
首尾一貫感覚が強ければ良いのかどうか、という点についてはまだ良くわかっていないことが多いです。健康的である人が多いとか、病気にかかっている人が少ないとか、いくつか研究では明らかになっています。しかし、確かに一定の高さがある方が良いのですが、高すぎても問題があるのではないかとも指摘されています。
回答にあたってはあまり深読みせずに、思ったままをお答え下さい。
なぜこのような聞き方に?
問2は他の問いと違って、左右に言葉があって、真ん中に数字があり、左の言葉にあてはまる場合は1に○、右の言葉にあてはまる場合は7に○、1でも7でもない場合は気持ちを表す数字に○という方法で回答します。
この問2は全世界共通でこのような回答方法となっています。答えにくいのですが、共通しないと比較ができないためこのような方式で聞かせて頂きました。どうかご理解ご協力をお願い申し上げます。
首尾一貫感覚について良く知りたい方に
首尾一貫感覚(SOC)については、私どもの研究メンバーよりいくつか本を出しています。もしご興味がおありの方はご覧になって頂ければと思います。
卒論を書いている大学生、あるいは修士論文を書いている大学院生向けのレベルの内容ですので少し難しいかもしれません。
アントノフスキーによる首尾一貫感覚を紹介した本の和訳書です。少し難しいと思います。